某家の何々さんが「世界平和」を謳っている。落ちそうになる瞼を必死にこらえながら茫然とそれを右から左へ聞き流した。
いろんな人間がいるものだ、と思いながら自分以外の新人全てが、そういった…つまりは陰陽師的な神子的な家系であることに驚かされる。そして彼らは何とも純粋に「今を守るために戦うのだ」という正義を掲げていた。

よくわからないな、とそう漠然と感じた。そう、私はそういった手前を信じる気のないタイプの怠惰な人間であった。
皆の論舌は続く。自分の番が恐ろしくなるくらいには、その言葉たちはあまりにも前向きで希望に満ち溢れていた。
私が生命力にありふれているなんて嘘だろ、むしろ死にかけてんじゃないのかと嘲う。自分の番がきて、こう宣言した。

「未熟者な私が今はどれだけのことが出来るかわかりません、が…やれるだけのことをやってみたいと思います。この時を守るため、頑張ります!」

大変無難なお言葉だ。